自治体DX実現に向けて業務量を可視化 東海村と日立システムズが共同研究

茨城県東海村と日立システムズは2022年2月25日、業務を可視化してDXによる業務量削減効果を測る共同研究の結果を公表し、検証の対象とした3課で実労働時間を4.1%削減できたと発表した。同村では2040年に業務量を12.0%削減する目標の達成に向けて今後も共同研究を続けていく。

DXなどで業務を4.1%削減可能に

東海村では将来の人口減少を見据え、2040年に業務量を12.0%削減するために目標値を立ててDXなどの業務改善に取り組んでいる。21年度は目標の実現に向け、全27課のうち税務課と住民課、学校教育課の3課を対象とし、DX導入などによる業務改善で、どの程度業務を削減できるかを検証した。

業務内容と業務量を可視化するために上記3課の職員にアンケートを行い、業務一覧を抽出するとともに、業務内容と業務量を調査。その結果、税務課で年間2万9302時間(251業務)、住民課で年間2万4312時間(145業務)、学校教育課で年間1万1402時間(172業務)の業務があることがわかった。

この結果を踏まえ、日立システムズが他の自治体や企業で行った事例をもとに、RPA導入や運用見直しによって削減できる業務を検討。申請書のエラーチェックや議事録の作成業務などのDX化や見直しによって、3課で計4.1%の業務量削減が見込めるとの結果がでた。

これを全庁27課で実施したと仮定すると、約5万時間の業務削減が見込めるといい、目標値を上回る成果が期待できる。

AIや電子化を活用して業務を削減

東海村は、3課での業務削減案と推計をもとに、目標を達成するためのロードマップも作成。今後も同社と共同研究を続けていくとともに、全庁的にDXを展開していくことを決めた。

22年度は、3課で取り組んだ内容を全課に広げ、業務可視化と改善案の抽出を実施。全庁的に業務改革を進める仕組みを整備する。

税務課、住民課、学校教育課の3課では、検証結果の変更や追加、修正を行うとともに、業務改善案を実行する。具体的な施策としては、定例会などのAI議事録システム活⽤や、タブレットを活⽤した住民への手続き説明の自動化、AI-OCRとRPAを活⽤した業務の自動化、申請手続きの電子化などが挙げられている。

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