電話やメール、SNS、チャットなどのコミュニケーションツールを一元管理するクラウド型カスタマーサービスソフトウェアを提供しているZendeskは2021年8月24日、岐阜県恵那市が、同社のソフトを使って市民から寄せられる意見や要望、提案への対応を一元管理するシステムを構築し、効率的な対応や庁内でのスムーズな情報共有を可能にしたと発表した。
同社が開発したZendeskは電話やメールだけでなく、FacebookやTwitterなどさまざまツールを使ったコミュニケーションを一元的に行えるソフトで、それぞれのツールを使った対応履歴も簡単に共有できる。現在、世界中で大企業からスタートアップまで数多くの企業が利用している。
恵那市では2020年からZendeskを導入したが、これによって市民の意見や要望、提案などを迅速に全部局で共有できるようになった。同市は災害時のヘルプデスクとしての活用も検討している。
恵那市の従来の対応
恵那市には電話やはがき、メール、Webサイトを通じて、年間約300件の市民の声が届く。これまでの対応では、広報広聴係がExcelで取りまとめた後、担当課にメールで問い合わせていた。市民への回答が必要な場合は、担当課がExcelに記入し、それを広報広聴係から回答していたが、手間と時間を要することが課題だった。
導入による効果
質問や意見の内容について、リアルタイムで関係者間で情報を共有できるようになり、回答までの時間を短縮、回答の精度も向上した。また、回答が遅れる場合も、状況がすぐに把握できるので、回答が遅れる理由をあらかじめ市民へ伝えておくなど先回りした対応も可能になった。
過去の対応も情報として蓄積できるので、苦情を繰り返す市民への対応履歴を事前に確認し部局間で共有しておけば、初めて対応する担当者でもより慎重に対応できる。