オンラインイベントの成功事例4件からこだわるべき勘所を学ぼう

オンラインイベントとは、Webを介して行われる非対面型のイベントです。

コロナショック以降、注目を浴びており、業界を問わずオンラインイベントを導入する事例が増えています。ちなみにオンラインイベントとほぼ同じ意味で使われる言葉に「ウェビナー(Web seminar)」があります。ニュアンスとしては、オンラインイベントのほうが広い意味で使われており、ウェビナーは、その名のとおり「オンラインで行われるセミナー」を意味しています。

オンラインイベントやウェビナーは、これまで対面型の営業活動を行っていた企業が社会変化に挑むDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環と言えるでしょう。足を使った営業活動からデジタルマーケティングへ、会場で開催していたイベントからオンラインイベントへ――。このように営業活動をデジタル化することで成功した事例が、いま続々と報告されています。

この記事では、企業の担当者や経営陣の皆さまに、オンラインイベントやウェビナーの成功事例をご紹介します。先行する企業はオンラインイベントをどのように開催したのか、そして成功のポイントはどこにあったのかなどをまとめました。

オンライン参加者との関係構築に力を注ぎ、開催数はリアルの4.5倍、集客数は2倍に増加|技研商事インターナショナル

ウェビナーの成功事例として、まずご紹介するのは、1976年創業の技研商事インターナショナルです。同社はエリアマーケティング事業の一環として、「MarketAnalyzer」シリーズなどの地図情報システム(GIS)の開発、販売、サポートを展開してきました。コロナ以降、見込み客向け、既存顧客向けのイベントにウェビナーを導入したところ、イベントの開催数は4.5倍、集客数が2倍に増大しました。

この成功事例のポイント

  • オンラインでも、参加者との一体感を大切にする。
  • 参加者のニーズを深掘りして、ウェビナーのコンテンツに反映させる。
  • イベントの回数が増えたときほど、企画力を磨く。

ウェビナーを導入した理由 対面型セミナーの一体感をオンラインでも

ウェビナー導入以前の同社は、20年近く、月2回のペースで対面型セミナーを実施していました。コロナ禍を機に、この対面型イベントをウェビナーに移行するにあたり、同社はオンラインでも「非対面でも参加者との交流ができること」を目標に掲げました。

ウェビナーのこだわり ライブ配信で、参加者目線の情報を提供

ウェビナー開催にあたり、同社はライブ配信にこだわりました。あえて、録画した動画を視聴するオンデマンド配信は行わない方針をとったのです。

オンラインでも、ライブ配信であれば臨場感を生み出すことができます。そのほか、イベント中にアンケートをとって参加者とのコミュニケーションを図ったりしました。また事前に参加者の属性を調べ、見込み客には専門用語は使わないなど、参加者の立場に立った情報提供を心がけたのです。

ウェビナーの効果 集客率2倍。開催回数が増えてリピーターも増大

オンラインイベントを開催するようになってから、同社のイベント開催回数は、以前の対面型イベントと比べて4.5倍に、集客率は2倍に増大しました。会場費など対面型イベントでかかっていたコストが不要になり、開催回数を増やすことができたのです。

オンラインイベントの回数が増えた分、コンテンツの内容に力を注ぐことで集客率も上がりました。そして回数が増えるに連れ、リピーターも増大しています。

オンラインイベントでも工夫次第で顧客との関係を構築できる事例であることがわかります。

技研商事インターナショナル株式会社 https://www.giken.co.jp/

オンラインイベント成功事例 質問もできる参加型のオンライン株主総会を開催。初の試みが、業界内外の注目を一気に集めた|アドウェイズ

次に、オンラインイベントの成功事例を紹介します。2006年に東証マザーズに上場したWeb広告代理店、アドウェイズです。同社は、経済産業省の指針をいち早く取り入れ、2020年6月に定時株主総会を「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」として開催。ユニークなオンラインイベントの事例としてテレビ番組の取材を受けました。

この成功事例のポイント

  • オンラインで、視聴だけでなく、質疑もできる株主総会の仕組みを作った。
  • 株主総会や人事面接など、重要な会議であっても、オンラインで構築可能。
  • 危機に対する迅速な対応が、結果として初の試みとなって注目された。

オンラインイベントを導入した理由 経産省の方針にいち早く対応

オンラインによる非対面の対応が急務とされていた2020年6月、同社は、オンラインとリアル会議を組み合わせた「バーチャル株主総会」を実現させました。

例年、この時期に株主総会を開いていた同社は、2020年2月に経済産業省が策定したばかりの「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」に、いち早く対応したのです。会場で参加する株主に加えて、遠隔地の株主もオンラインで参加できるハイブリッド型の株主総会が、図らずもコロナショックで一気に現実のものとなったのです。

オンラインイベントのこだわり オンラインで「視聴」ではなく、「参加」できる株主総会

オンラインやデジタルに知見があるWeb広告代理店という特性を生かした同社は、配信プラットフォーム「Zoom」を利用してハイブリッド型株主総会を開催。

オンラインであっても、参加者は株主総会を単に「視聴する」だけではなく、「参加する」ことができました。オンラインの株主が、会場にいる株主同様、リアルタイムで議決権の行使や質問を行ったのです。オンラインから議決権を行使するというのは、この事例が初の試みとなりました。

オンラインイベントの効果 初の試みにテレビで取り上げられ、会社の知名度がアップ

会場とオンラインを舞台に株主総会を行い、遠隔地の株主が総会に参加するというユニークな試みは、テレビのニュース番組でも取り上げられ、一気に同社の知名度が上がりました。現在、同社では、新卒採用の面談をオンラインで行うなど、今後も、オンラインのノウハウをさまざまなビジネスシーンに応用する考えです。

この成功事例からは、オンラインイベントが、営業活動にとどまらず重要な会議にも応用できることがわかります。

株式会社アドウェイズ https://www.adways.net/

ウェビナー成功事例 既存顧客向け定例イベントを外部企業と連携してオンライン化。参加者が1000人に拡大|ユポ・コーポレーション

ウェビナー成功の2例目は、合成紙分野で70%のシェアを誇る世界的にも有名なユポ・コーポレーションです。同社が例年行っている「お客様交流会」を、外部企業と協力しながらオンラインイベントとして実施したところ、例年の倍以上の1000人以上が参加する大規模なイベントとなりました。

この成功事例のポイント

  • 大切なイベントを初めてオンライン化する場合は、実績のある外部に運営を委託する。
  • オンラインによるウェビナーの開催は、遠隔地の顧客も取り込める。
  • ウェビナー開催によって、新規見込み客を呼び込める。

ウェビナーを導入した理由 大切なイベントを初めてオンラインで実施

オンラインイベント開催前には、東京や大阪のホテル会場で「お客様交流会」という既存顧客向けの新製品発表を兼ねて立食パーティを実施していた同社。新型コロナウイルスの影響を受け、この大切なイベントを、初めて「Web発表会」としてオンラインで開催することになりました。

ウェビナーのこだわり 失敗できないからこそ、外部に運営を委託

オンラインイベント「Web発表会」開催にあたって、同社はJストリームに業務を委託しました。Jストリームは、国内最大級の動画配信プラットフォームで、堅牢なセキュリティに定評があります。

大切な既存顧客を対象にした、失敗のできない定例イベントをオンラインで行うにあたり、外部企業の力を借りることで事前準備に不安なく取り組むことができました。

ウェビナーの効果 例年の倍以上の1000人を超える集客。新規見込み客へのアピールも

オンラインイベント「Web発表会」には、例年の倍以上の1000人を超える参加者が集いました。これまでのホテル開催のイベントでは参加が難しかった遠隔地からの参加者も多く、既存顧客だけでなく、新規見込み客に向けてのアピールも行うことができたのが大きな恩恵となりました。

オンラインイベントやウェビナーを導入したくても、知識や経験が少ないため躊躇するケースも少なくないことでしょう。この成功事例では、オンラインイベントの運営をノウハウの豊かな外部に委託することで、明確な成果が出たことがわかります。

株式会社ユポ・コーポレーション https://japan.yupo.com/

オンラインイベント成功事例 コンテンツを再構築してオンライン展示会を開催。10分の1のコストで、資料ダウンロード7000件を獲得|クラレ

最後にご紹介するのは、大手化学メーカー、クラレが開催したオンライン展示会です。2020年5月から6月にかけて、同社は、オンデマンド動画を活用したオンライン展示会を開催。コロナ禍だからこそ生まれた逆転の発想により、資料のダウンロードが7000件という成果を生みました。

この成功事例のポイント

  • オンライン化を機にクライアントの課題を見える化する。
  • オンラインの特性を生かし、効果を数値化する。
  • コスト削減でスタッフに余裕が生まれ、新規顧客獲得へ。

オンラインイベントを導入した理由 苦肉の策としてオンライン展示会を企画

オンライン展示会という同社のイベントは、会場を使った展示会がコロナショックで中止になったことを機に生まれた苦肉の策でした。もともとマーケティング部がDX化を進めていた同社は、自社開催による「オンライン展示会」を急ピッチで構築することになったのです。

オンラインイベントのこだわり 見込み客のニーズを見える化した展示に変更

オンライン展示会では、従来の展示会とは異なる発想が求められました。従来は素材によって分かれていた事業部別の展示物を捉え直し、「自動車」「農業」など見込み客のニーズに分けて見せることにしました。課題から発想した展示方法で、クライアントの課題を見える化したのです。

オンラインイベントの効果 見込み客が新規顧客へ生まれ変わる

オンラインイベントならではの効果測定を盛り込んだオンデマンド配信による展示会は、開催期間中のスタッフ稼働はゼロで、通常の展示会の10分の1のコストで済んだにもかかわらず、ダウンロードされた資料は7000を超えました。コストパフォーマンスに優れたオンラインイベントで参加者に向き合う時間が増えたからか、この膨大な見込み客リストから、本格的な商談に進んだ案件も少なくありません。

この成功事例では、オンラインイベントならではの特性を生かしつつ、コンテンツそのものを参加者目線で再構築することで、見込み客が新規顧客に生まれ変わる好例だといえるでしょう。

株式会社クラレ https://www.kuraray.co.jp/