日立が横浜市で予算・財務情報管理システム構築 23年度末の稼働目指す

日立製作所は2022年1月28日、ServiceNow Japanと共同で、横浜市の予算・財務情報管理システムの構築を始めたと発表した。さまざまなデータを市政運営や政策決定に生かすのが狙いで、2023年夏から段階的に稼働させ、2024年3月の全面稼働を予定している。

データを共有して政策を立案・遂行

横浜市では事業計画の立案や予算編成、予算の執行管理、決算・事業評価などの財政事務を進めるにあたり、従来は、個別のファイルやシステムで業務を管理し、担当者間のデータ受け渡しは電子メールで行っていた。

今回構築するシステムでは、事務の各プロセスで必要となる登録や確認、承認、管理といった業務をシステム上のみで完結。個別のファイルやシステムへの入力や転記、電子メールでの受け渡しといった作業が不要になる。入力したデータはシステム上で一元的に管理できるため、案件の進捗状況の確認やデータ集計なども容易で、業務をより円滑に進められる。

また、予算や決算などのコストデータや事業評価などの指標を経年で蓄積し、中長期の計画と関連づけて管理することも可能になり、データに基づく財務管理を強化できる。集約したデータは、すぐに集計・分析でき、ダッシュボードなどでグラフや図で表示できるため、トップから現場までデータを共有しながら、政策の立案から遂行まで進められる。

EBPMの実現を目指す

システムの中核には、ServiceNowのプロジェクトポートフォリオ管理を支援する「Strategic Portfolio Management」を採用した。ローコードプラットフォームで柔軟なシステム変更や迅速なデータ項目の変更が可能なため、将来、行政経営の環境が変化しても、予算の編成過程の変更や事業評価項目の追加・変更に柔軟に対応できる。

横浜市は、統計データや各種指標など客観的なエビデンスをもとに政策を立案・実行するEBPM(Evidence-Based Policy Making)の実現を掲げており、日立ではこうした取り組みの推進に向けてシステム構築を進めていく。

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