米Pegasystemsの日本法人ぺガジャパンは2021年8月17日、経済産業省が同社の提供するPega Platformを使って「保安ネット」を構築し、年間25万件の紙申請をデジタル化したと発表した。これによって、産業保安・製品安全関連法令に基づく行政手続きのコストが約4割削減できる見込みとなった。
経産省は行政手続きの簡素化や効率化を図るため、2017年に電子申請システム開発プロジェクトを発足。2020年1月に「保安ネット」を正式に稼働させ、同年12月にはオンラインによる申請を可能にした。この保安ネット開発に一役買ったのが、手作業で行われてきた業務プロセスの全工程を自動化する「インテリジェントオートメーション」機能を備えたPega Platformだった。
オンラインで申請や届け出が可能
保安ネットでは、電気・ガス事業法や消費生活用製品安全法など産業保安・製品安全関連法令に関する承認申請や届け出などを、オンラインでできる。
これまでは、申請書の作成に1件あたり平均4時間かかっていたうえ、書類の提出や交付などのために1月あたり平均10回、窓口を訪れなくてはならず、事業者の負担が大きかった。また、申請を受け付ける経産省側も、受理や決裁、データベース入力などに多くの手間と時間がかかっていた。
利便性の向上で8割がオンライン提出に
保安ネットでは、年中24時間いつでも届け出や申請が可能なうえ、入力補助機能で簡単に必要事項を入力できる。変更手続きも容易で、事業者の利便性が向上する。
また、申請の履歴や処理状況の確認がネット上で可能になり、通知文書も閲覧できる。現在では申請の約8割がオンラインとなっている。