行政情報システム研究所(AIS)は2021年6月1日、海外の行政機関で進められているDXの事例を紹介しながら、DXの考え方やデジタル技術の活用方法について説明したハンドブック「GDX:行政府における理念と実践」をWebで公開した。
ハンドブックは、「Next Generation Government」(日経MOOK)でデジタル・ガバメントの未来を考察した若林恵氏の責任編集。若林氏は最新のデジタル技術に詳しく、海外の先進事例を交えながら、仮想の対談形式で分かりやすくDXを解説している。
AISでは2020年度、「行政におけるデジタル・トランスフォーメーションの推進に関する調査研究」として、イギリス、デンマーク、オーストラリア、タイを対象国に選び、DX推進のための行政府組織や地方自治体の取り組みなどを調査した。ハンドブックはその成果の1つとして作成された。
若林氏によると、調査の中でDXの推進に携わる海外の担当者は口をそろえて「DXとはユーザー中心ということだ」と答えたという。ハンドブックでは「つくり手起点からユーザー起点へ」という理念に基づいてDXをどのように設計し、運用していくのかを語っている。
ハンドブックはB5版96ページ。AISは「2021年9月にデジタル庁の発足が予定されるなど、行政でのDXの進展が予想されるなか、行政に関わる人だけでなく、デジタル時代を生きる多くの人に読んでもらいたい」としている。
AISではPDF版を無償公開したほか、プリント版を限定配布している。詳しくは特設ホームページに掲載している。