オンラインイベントで使うツールの予算を比較! 無料サービスと有料プラットフォームの違いは?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、オンラインイベントを開催する企業が増えてきています。東京ゲームショウやMaker Faire Tokyoなど、これまでは対面形式で行われていたイベントがオンラインのみ、もしくは対面(リアル)とオンラインとのハイブリッド形式で開催されることも珍しくありません。

では、実際にオンラインイベントを開催する場合、どの程度の予算・費用が必要になるのでしょうか。主要なツールの利用にかかる金額をまとめてみました。

イベントの実施形式によってツールに必要な予算は異なる

オンラインイベントの開催には、いくつかの方法があります。予算やイベントのタイプ、集めたいユーザーの属性を考慮し、最適な配信タイプを選びましょう。配信タイプ別に主要なツールも紹介していきます。

Web会議形式

リアルタイムで配信する形式のうち、不特定多数のユーザーに発言権がある形式のオンラインイベントを「Web会議形式」と呼びます。

この場合、ZoomやGoogle Meetなどのツールが使用されることが多く、参加者とリアルタイムでコミュニケーションを取りながらイベントを進行させることが多いです。

16名でオンライン会議をしているパソコン

ウェビナー形式

Web会議形式と同じくリアルタイムでの配信ですが、「ウェビナー形式」の場合は運営側によって許可された1人~数人のみ発言できて、残りの参加者は聴く権利のみが与えられるのが一般的です。

記者会見、新商品の発表会などの社外向けイベント、入社式や株主総会などの社内/関係者向けイベントのどちらにも利用されています。

近年話題になった音声SNSのClubhouseも、不特定多数のユーザーが参加できるウェビナーが数多く開催されています。中には、参加者が数百人規模となるウェビナーも存在します。

オンラインで会議の内容をメモを取りながら聞いている男性

オンデマンド配信

1度収録した内容を、後日配信する形式が「オンデマンド配信」です。オンラインイベントだけでなく、動画サービスやテレビドラマなどのコンテンツにおける見逃し配信サービスにおいても一般的になりつつある形式です。

最大のメリットは視聴者がいつでも好きな時に見られることで、オンラインイベント以外にも動画形式での講座や社内研修、期間限定配信などの活用方法があります。

また、ウェビナー形式でイベントを開催した後、参加者向けにオンデマンド配信を提供して、動画を再度視聴できるようにすることも可能です。

対談の様子を撮影しているスマホ

オンラインイベントにおすすめの配信ツール

オンラインイベントに欠かせないのが配信ツールです。無料のものから有料で高機能なものまで様々なタイプがありますが、最近は無料で利用できるものも登場してきています。

Zoom

ZOOMの公式HP画像のホーム画面

Web会議形式の無料ツールとして、広く用いられているのがZoomです。URLを伝えるだけで会議場となるスペースを共有できて、ユーザー招待等もメールで手軽にできる点が大きなメリットです。

無料でも利用できますが、3人以上の利用であれば1回あたりのミーティング時間が40分に制限されてしまうため、不特定多数へのオンラインイベントを実施する場合は有料プランの利用を検討した方がいいでしょう。

料金プランには「ビジネス」「エンタープライズ」「プロ」の3プランがあり、利用料金は年間で2万~3万円台。月額なら概ね1500~2200円程度です。

Google Meet

Google  Meetの公式HPのホーム画面

Google Meetも、Web会議形式の無料ツールとして広く使用されています。Zoom同様、URL形式でユーザーを招待できるだけでなく、Googleカレンダーと連携できるという利点もあります。 Googleカレンダーで予定を登録する際に[Google Meet のビデオ会議を追加]ボタンを押してURLを記載しておけば、 GoogleカレンダーからGoogle Meetを簡単に起動できます。

Google Meetは無料プランで最大100人利用できますが、無料プランの最大通話時間は1時間という縛りがあります。有料プラン(Google Workspace Essentials)を利用することで、参加人数を最大250人/最大通話時間を最大24時間(※)まで延長できます。

また、有料プランでは会議の録画やGoogle Driveへの保存なども可能となります。

※2021年6月28日までは24時間まで利用できたが、現在のところ無料プランは1時間のみ

YouTube Live

YouTubeライブの公式HPのホーム画面

YouTubeを使ったライブ配信を実現するための機能が「YouTube Live」です。動画の配信に加えてコメント機能も利用できるので、不特定多数のユーザーがコメント欄で意見を交換できるようになります。

YouTubeというプラットフォームを膨大なユーザーがすでに利用しているため、適切に拡散を図れば、多くのユーザーの参加が期待できる点も強みと言えるでしょう。

またYouTubeの機能としてよく利用されるものとして、プレミア公開機能があります。時間をあらかじめ指定して配信できるようになり、多数のユーザーの注目を集める効果があります。

YouTube Liveは無料で利用できますが、スーパーチャット(投げ銭形式での課金)を利用する場合にはユーザー登録者数や配信時間などの制限があります。

Vimeo

vimeoの公式HPのホーム画面

動画配信プラットフォームとして、YouTubeと同じくらい古くからサービスを展開している(2004年開始)のがVimeoです。

VimeoにはPlusからPremiumまで、4つの有料プランが用意されています。料金は月々700~7500円と幅があり、最上級のPremiumコースに加入することでライブストリーミング配信が可能となります。高画質(1080p)での配信やライブチャットなども利用できます。

Instagramライブ

Instagramの公式HPのホーム画面

Instagramに対しては、どちらかといえば個人での利用のイメージを持っている人が多いかもしれません。しかし、企業アカウントを使ったライブ配信の事例も増えてきているのです。

サントリーのインスタライブ(2020年12月に初開催)では、ドリンクのアレンジやおつまみのレシピに加え、芸能人とのタイアップによる新商品のキャンペーンなども展開しています。

https://twitter.com/suntory/status/1338453684250955776

オンラインイベントに便利なイベントプラットフォーム

ここまでに挙げたツールを利用すれば、無料か比較的低価格でオンラインイベントを実現することが可能です。しかし、企業や団体として、しっかりとしたオンラインイベントを開催したいのなら、必要な機能を網羅していたり、より高機能であったり、サポートが充実していたりするオンラインイベント用のプラットフォームを利用するのが賢い選択だと言えるかもしれません。

参加者の募集や配信、PR支援といったオンラインイベントの開催に必要な機能をパッケージ化して提供してくれるので、本格的なオンラインイベントを開催するときには無料のツールよりもプラットフォームを利用した方が失敗するリスクを減らすことができます。

eventos

eventosの公式HPのホーム画面

eventosはイベントの公式Webページやアプリまで作成可能なプラットフォームです。オンラインイベントとリアルイベントの双方に対応可能で、イベントの参加者数や、コンタクト数などの数値をダッシュボードで管理できます。

また、ライブ配信も出展者マイページから実施できるのに加えて、CSSやHTMLなどのWeb編集機能や、アプリの修正機能などもあります。オンライン展示会やフェスなどのライブイベント、企業の社員総会や創立記念イベントといった社内行事など、幅広く応用できます。

利用金額は初期費用が30万円、月額費用(ライセンス使用料金)が10万円。2021年6月には配信参加者の情報をより効率的に収集するため、アプリでしか利用できなかったアンケート機能がWebバージョンにも搭載されました。アンケート結果は企業の公式SNSなどで共有できるので、結果を拡散することでよりイベントを盛り上げることもできるでしょう。

Eventhub

ebenthubの公式HPのホーム画面

オンラインイベントに対応したイベント管理システムがEventhubです。Youtube/Zoom/Vimeoと連携しているため、配信参加にあたりアプリのダウンロード等は必要なく、PCやスマホのブラウザから気軽に参加させることができます。

また、人気セッションやコンテンツの分析や参加者数等の管理機能に加えて、メール/プッシュ通知による事前通知配信、ビジネスマッチングやコミュニケーションも管理画面上で完結できます。